ひろしまのシビックプライド(市民力)を考える会とは
「自分たちがほしいまちの未来は自分たちでつくる」を合言葉に、様々な社会問題、出版・図書館、建築・まちづくり、メディア発信、市⺠大学など多分野にまたがる専門領域を持つ30〜40代のメンバーが集い、2022年4月に設立した任意団体です。
きっかけは同年2月に広島市が発表した「広島市立中央図書館等再整備基本計画」(広島市立中央図書館をはじめとする文化施設群を広島駅前の商業施設エールエールA館に移転させるというもの)でした。ですが、本件に限らず、市政と市民が共に手を携えて、自分たちのまちづくりに必要な調査や理念に基づいた議論を⻑期的な目線で行っていくことの重要性を、わたしたちはあらためて提言していきたいのです。
「いいまちづくり」のためには、行政や大企業が主導し策定するシティビジョンと、市民一人ひとりが我がまちに対して持つシビックプライド(当事者意識に基づく自負心)、そしてその能力を適切に編集した集合知が必要と考え、その両方を醸成していくことを目的に活動を行って参ります。特に2023年にはG7サミットも開催される広島への世界の注目度はますます高まります。「さすが国際平和文化都市に相応しい、平和的で民主的なプロセスと仕上がりだ」と世界から称賛されるような文化施設群の完成を心から願っています。
原子爆弾で廃虚と化した広島市の復興は、税収の激減等から困難を極めました。多くの戦災都市のなかで、国が広島市のみに特別な援助を与えるには法的な根拠が必要でした。その根拠としての「広島平和記念都市建設法」は、市、市議会、地元選出国会議員など多くの人の尽力により衆参両院満場一致と、住民投票でも圧倒的多数の賛成を得て、1949(昭和24)年8月6日に公布・施行されました。
「広島平和記念都市建設法」は、7条からできている短い法律です。ですが、この法律により、広島市を世界平和のシンボルとして建設することが国家的事業として位置づけられました。そして、被爆から77年を経た今もなお、平和都市広島の根幹を支え続ける大切な法律なのです。
(一部抜粋)
第1条 この法律は、恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として、広島市を平和記念都市として建設することを目的とする。
第6条 広島市の市長は、その住民の協力及び関係諸機関の援助により、広島平和記念都市を完成することについて、不断の活動をしなければならない。
広島市ホームページ(法の詳細・解説について)にて公開されています